司法試験で試験時間を15分間違えたけどA評価を取った件

こんにちは、武藤遼です。

 

今日は、僕が司法試験本番でやらかした
嘘のような本当の話をしたいと思います。

 

司法試験に対して余裕をぶっこく

これは、僕が司法試験を受けていたときに起こった話です。

 

司法試験を受けてたのは、僕が大学4年生の時の話ですね。
今から2年くらい前の話です。

 

憲法の試験を受けていた時、
試験時間を15分間違えるというとんでもない失敗をやらかしました。

 

あと20分あると思っていたら、
実はあと5分しかなかったのです。

 

でも、それだけのミスをしても、
憲法の答案はA評価でした。

 

信じられないかもしれません。

 

でも、これは本当にあった話です。

 

せっかくなので、
その時の様子を振り返ってみたいと思います。

 

ーーーーここから時間ミスストーリーーーーーー

 

予備試験に合格し、司法試験を受けることとなっていた僕は、
余裕をぶっこいていた

 

司法試験の過去問を何個か見た結果、
司法試験と予備試験は何も変わらないと気づき、

 

試験に向けた勉強をやめ、
試験勉強を一切しないまま司法試験に臨もうとしていた。

 

予備試験の段階で
答案の書き方や答案構成のやり方は熟知していたため、
今さら答案を書く必要など感じていなかった。

 

2時間で8枚の答案を書く。
こんなの辛くてやっていられない。

 

本番だけ頑張れば十分。

 

予備試験は70分で4枚の答案、
司法試験は120分で8枚の答案と、
制限時間や答案の分量は違うのだが、

 

まあ答案の書き方わかってるしなんとかなるだろ
というゆる〜く考えていた。

 

というわけで、
2時間で問題を分析し、答案を書くという経験を
ほとんどしないまま、僕は試験に臨んだ。

 

司法試験の最初の科目は選択科目。

 

これは4枚の答案を書けばいい。
予備試験と分量は同じ。

 

予備試験と同じ感覚でいけた。

 

事件は憲法で起きた

次にあったのが憲法。

 

ここから2時間で8枚の答案を書かなければいけないから、
憲法で初めて2時間で答案を書くという経験をすることになる。

 

今から振り返るとわかるのだが、
当時の僕には2時間の時間感覚などまるでない

 

2時間という時間をどう使うか。
何分で答案構成をし、何分までに書き始めるか。

 

そういったことを全く決めないで
試験に臨んでいた。

 

若気の至りとでもいうのだろうか。
今から考えると恐ろしい。

 

憲法の時間が始まった。

 

周りの受験生が急いでシールを破る中、
僕はゆっくりと問題用紙に一礼して(意味不明)、
問題を眺める。

 

正直、憲法には自信があった。

 

答案の書き方は全て体系化していたし、
司法試験の憲法の問題の裏にある思想もわかっていた。

 

これがあれば確実に合格答案は取れる。
そう思っていた。

 

そう、答案を書き切りさえすれば。

 

問題を読み、分析して、書きたいことを頭の中で練る。

 

その頃はもう答案構成用紙は使わず、
頭の中で答案構成ができるようになっていたので、
問題をじっと見つめながら構成を考える。

 

問題の端にところどころメモをしながら、
書きたい内容をまとめる。

 

書くべきことはどんどん増えていく。
これは結構な分量になりそうだ。

 

7~8ページはいくな。
8ページという分量がどのくらいかわかっていないのに、
勝手にそんなことを考えていた。

 

いざ、答案を書き始める。

 

今回は、憲法13条と33条の二本柱でいくことにした。

 

2つの条文について
答案をフルで書くとなるとそれは相当な分量になる。

 

まずは、原告側の主張を述べる。

 

ここでそもそも相当書いている。

 

もともと答案の分量は結構書く方で、
今回も設問1からどんどん書いていく。

 

そして、設問2。

 

まずは国の反論をまとめる。

 

国の反論を先に書いて、
それから自身の見解をドカンと述べるという構成だ。

 

設問の書き方としては、
国の反論を先にまとめる必要もなさそうだったが、

 

いっつもやっているやり方なので、
今回もこれでいこうと思った。

 

そして、自身の見解。

 

ここが大事なところだ。

 

憲法の答案では、
ここが最も重要なところだと考えられている。

 

当然、僕もここを厚く書くべきだと考えていた。

 

自身の見解を書き始める時点で
残り時間が何分だったかは覚えていないが、
なんとか書ききれると思っていた。

 

おそらくこの時点からすでに時間を勘違いしていたのだろう。

 

順調に、気分よく書き進めていた。

 

7枚途中まで書いていた頃だっただろうか。
答案の分量はあと1枚半強。

 

これなら書きたいことが収まる。

 

今は15時40分。
試験時間は16時までのはず。

 

あと20分ある。
これなら書ききれる。

 

そう思っていた時、
マイクのスイッチが入る音がした。

 

残り時間は、あと5分です。

あれ、おかしいな。
なんでこのタイミングで
マイクのスイッチが入るんだろう。

 

そう思っていた時、
試験委員の声がした。

 

「残り時間は、あと5分です。」

 

!?
え??何?どういうこと???

 

慌てて試験時間を確認する。

 

試験時間は13時45分から15時45分までだった。
僕は勝手に、試験時間は16時までと勘違いしていた

 

僕は時間を間違えていた。

 

今は15時40分。
試験終了まで、あと5分。

 

あと20分あると思っていたら、
実は試験終了5分前だったのだ。

 

いつの間にか試験時間を15分長く考えていたことになる。

 

どうしてそのようなことになったかは覚えていない。
とにかく、試験時間を15分長く勘違いしていた。

 

さあ、どうする。

 

あと5分で1枚半の答案をかけるわけがない。
半ページ書けるかすらも怪しい。

 

一気に不合格が頭をよぎる。
なんとか答案をまとめることはできても、
実質的な途中答案だ。

 

まともな評価がくるはずがない。

 

いや、その前に
残り時間5分でどうやって答案をまとめる??

 

刻一刻と時間は過ぎていく。

 

周りの受験生を見ると、
すでに答案を書き終えて見直している人がいる。

 

僕は自身の見解について、
審査基準すら立てられていない。

 

審査基準を立て、当てはめをする。

 

これだけのことを書かなければいけないし、
当てはめで使いたい事情もたくさんあるのに、
試験時間はあと5分しかない。

 

絶望した。
手が震えた。

 

目に見えるくらい手が震えているのだ。
まともな文字など書けるはずがない。

 

あんなに手が震えた経験は未だかつてない。
ここまで手は震えるのか。

 

必死で震えを抑え、文字を書こうとするが、
答案にはミミズ文字ばかり

 

読んでもらえるかすら怪しい字だ。

 

それでも、
なんとか書き切った。

 

答案の型だけはわかっていたから、
その型は崩さず、
中身を極限まで省略した。

 

一応答案としての体は整った。

 

ただ、中身はものすごく薄い。
しっかり書くべきところが、全く書けていない。

 

採点者が一番重視するであろうポイントが、
ごっそり抜け落ちてしまっているのだ。

 

これはやばい。。。。
終わった。。。

 

今までやらかしたことのないようなミス。

 

というより、
試験時間を間違えるなんて他の受験生は絶対やらないだろう。

 

こんなミスをするのは僕だけだ。

 

司法試験を甘く見ていたツケをくらった。

 

最悪の1日

2時間という制限時間で答案を書く訓練をしていなかったことや
司法試験に対して余裕をこいていたことに対して
司法試験が牙を剥いてきた感じがした。

 

正直まともな答案ではない。
一応答案上では書き切った感じが出ているが、
時間不足で最後が書ききれていない答案であることは明らかだ。

 

ただ、型は守った。
中身は薄くても、書くべきところは全て触れている。

 

それだけが唯一の救いだった。

 

このショックは後の科目でも引きずった。

 

憲法で出遅れた分、
なんとか取り返さないといけない。

 

その思いが、さらに僕を焦らせた。

 

次の時間の行政法は、

全く頭に入ってこなかった。

 

とにかく問題を読んでも頭に入ってこない。
何をいっているかが全く理解できない。

 

完全なるパニックに陥っていた。

 

手の震えはそこまではなかったが、
パニックからまともに答案も書けない。

 

それでも不合格になるわけにはいけないと思っていたから、
気合いと根性で手を動かす。答案を書く。

 

なんとか答案を完成させ、行政法を終えた。
さすがにこの時はもう時間を間違えなかった。

 

そうして、司法試験の1日目が終わった。
最悪の1日だった。

 

憲法と行政法、
どちらもうまくいった気がしない。

 

いくら総合点の勝負といえ、
これはショックだ。精神的にくる。

 

そのパニックは次の民法で最高潮に達し、
商法で無事解消されるのだが、
それはまた別のお話。

 

僕の司法試験は
時間ミスという苦い思い出とともに終了した。

 

合格し、さらに驚きの結果が

結果として、
僕はその年の司法試験に合格した。

 

ミスをしたのに、
合格できたのは本当に奇跡のようなものだ。

 

あれだけのミスをしたのだから、
合格をしただけでもよかったのだが、
さらに驚くべきことが判明した。

 

後日送られてきた成績通知を見てみると、
なんと時間ミスをした憲法の評価がAなのだ。

 

上位1000位以内の答案として評価されたことになる。

 

憲法の具体的な点数まではわからないが、
A評価だということは、
憲法の答案は成績を下げるどころかむしろ僕の成績を相対的に上げてくれたことになる。

 

時間ミスをしたにもかかわらず、
合格レベルの答案を書いていたことになるのだ。

 

これを見た僕は、
力が抜けると同時に、笑ってしまった。

 

なんだよーっっ!!!
あれだけ心配したのに全然関係なかったのかよ!!

 

全く心配することはなかったのだ。
動じることなく、淡々と試験を受けていればよかった。

 

そんなことを言っても始まらないが、
とにかく試験に合格して本当によかった。

 

答案構成様様です。

それから、
僕は試験時間を間違えるという大失態をやらかし、
実質的な途中答案を書いてしまったにもかかわらず、
A評価を取れたのはなぜだろうと考えた。

 

その結果、
途中答案ながらも答案の型を守ったからだろうという考えに行き着いた。

 

僕は時間がないながらも、
答案としての型を守り、最低限書くべきことは書き、
一応答案として完成させた。

 

残り時間が20分あると思っていたが、
実は5分しかなかったというパニック状態の中、
頭の中にあった書きたい事柄の中から
瞬時に5分間で書かなければならない内容、
書かなくてもいい内容、省略してもいい内容を判断し、
答案を完成させることができた。

 

それがよかったのだ。

 

正直答案の型があれば、
あとはその型に当てはめるべき内容を問題文から抜き出すだけでいいので、答案構成はすぐにできる。

 

残り時間が5分しかなくても、
その型に合わせ、
当てはめる内容を削ればいいだけなのだ。

 

だから答案が完成した。
震える手でも答案を書くことができた。
支離滅裂な答案を書くことがなかった。

 

この時ばかりは、
本当に答案構成を頑張ってきてよかったと感じた。

 

答案構成を考えず、
ただ基本書を読んだり判例を分析したりといった
いわゆるオーソドックスな勉強をしていたら、
絶対にA評価を取ることはできなかっただろう。

 

答案の型、答案構成のやり方を身につけていたら、
こんなに簡単にA評価が取れるのかと驚いた。

 

大失敗をやらかしても、
なんとかなるのだ。

 

答案構成すごすぎる。
まじで神。

 

震える手では半ページ弱しか書けなかった。

 

しかしその中でも、
審査基準を立て、当てはめをすることができた。

 

混乱する頭でも、
5分という残り時間で何を書くべきか、どこまで書くべきかを考えることができた。
これはまさに普段の訓練の賜物だ。

 

答案構成は予備試験の受験生時代に
やり込んだので、
体に染みついている。

 

3ヶ月間の訓練だ。

 

その時の努力が、
僕を助けてくれた。

 

試験時間を間違え、
実質的な途中答案でもA評価にしてくれる。

 

僕にこんな体験をさせてくれた
答案構成はまさに魔法のツールとしか言いようがない。

 

試験時間を間違えたという
普通の人なら真っ青になるようなミスでも
今ではこうやって笑い話にできる。

 

もちろん答案構成以外の勉強もしてきたし、
答案構成だけでこのような結果を出したとは言えないが、
答案構成を通して答案の型を身につけたことが大きく役に立ったことは確かだ。

 

答案構成様様です。

 

ーーーーーーここまでーーーーーーーー

 

そんなこんなで、
今の僕があります。

 

あの時の司法試験でもし不合格になっていたら、
僕はこうやって文章を書いていないでしょう。

 

もちろん、
憲法に関してはただのラッキーだったかもしれないし、
もしかしたら答案構成以外の部分が影響しているかもしれません。

 

でも、答案構成を通して身につけた考え方は
僕がどの科目でも実践した考え方であって、
様々な科目で結果を出しています。

 

ただ、憲法の話は
時間のミスもあってドラマチックだし
話してて面白いと言われるので、
記事にしてみようと思いました。

 

これを見て、
僕は運が良かったのだと思うのでしょうか??

 

違いますよね。

 

明らかに、
僕がやってきた勉強が功を奏していることがわかると思います。

 

当てはめの事情に何を使うとか、
使われている判例を意識しろだとか、
そんなところに答えを求めず、

 

自分がどのように答案を書くか、
どのようにしたら答案が書けるかという
答案の型、構成の部分に目を向けた結果がここにあるということです。

 

論証を覚えたり、
判例の言い回しを覚えたりといった暗記では
たどり着けない世界があるということです。

 

いくら覚えていたって
答案にかけなければ意味がありません。

 

残り時間が5分になった時、
必要とされるのは覚えた論証を正確に吐き出す力ではなく、
残り時間に合わせて書く内容を吟味する能力です。

 

このような臨機応変な対応を可能にするのは、
暗記ではありません。

 

答案構成を徹底して繰り返し、
答案の型を身につけたことの成果です。

 

テキストに書いてることをそのまま覚えるだけではダメです。
それを状況に合わせて適切に使用することが必要です。

 

本番は誰も助けてくれません。

 

全て自分で決定しなければなりません。

 

そういう時に臨機応変な対応ができるのかが合否を分けます。

 

僕はその能力を徹底的に鍛えてきました。

 

そのための方法が
答案構成でした。

 

答案構成のやり方を身につけると、
自由自在に答案が書けるようになりますよ。

 

楽しい世界です。

 

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僕は大学1年生から勉強を始め、
大学3年生で予備試験に合格、
大学4年生で司法試験に合格しました。

予備試験に合格するまでで勉強はほぼ終えてしまい、
予備試験後から司法試験までは
プログラミングやビジネスを勉強し、
法律の勉強はほとんどしませんでした。

信じられないかもしれません。
お前には才能があったんだろ?とも言われます。
僕はもともと司法試験を目指していたわけでもなければ
司法試験に合格する自信があったわけでもありません。

 

そんな僕でも自信を得ることができて
司法試験に合格することができました。
その後もいろいろなことに挑戦できています。

 

学んでいけば誰でも自信を得て司法試験にも合格できる。
武藤遼が司法試験に合格していくまでの過程は下記の記事で公開しています。

司法試験なんて自分には無理だと思っていた

 

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こんにちは、武藤遼です。 新しいブログを作りました。大学在学中に司法試験に合格して自由を手に入れた男の物語 こちらは、司法試験用のブログになります。 前々から準備していましたが、ようやく公開できることになりました。 今後、司法試験に関する情[…]

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プロフィール

初めまして、武藤遼です。 僕は今、予備校で大学受験や司法試験の受験指導をしています。 文系の最高峰の試験といわれる司法試験。法律家になるための登竜門です。 僕は、大学に入学した直後から司法試験の勉強を始め、大学3年生の時に予備試験に合[…]


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